甲斐くんと林山。その他多数 37
深夜0時25分
落ち着け・・・落ち着くんだ・・・弾。
久しぶりに深呼吸をする。
・・・なかなかいいものだ。
平常心を取り戻せてきた。
ふぅ・・・今の状況を整理しておこう。
僕に『どうせ豚だろ?』と言われ、膝から崩れ落ちている漢。
漢にはヒゲ眼鏡をつけてもらい、時間ギリギリでヘリウムガスを吸ってもらえばそれでいい。
それまでは崩れ落ちてもらっておこう。
あとは戸田だ。
こいつにはテーブルの準備をしてもらい、2人(甲斐くん、ヴィーナス)が店に到着し、この部屋に着いたらタイミングよく電気を消してもらう。
たったこれだけの準備なのに・・・なぜこんなに疲れるのだ?
難しいことは何もないぞ?
甲斐くん、ヴィーナスが店に戻ってくるまであと・・・約30分。
・・・全然間に合う。
よし・・・早速戸田にテーブルの準備を・・・
って・・・おい!!
お前ら何してるんだ?
こいつら・・・お祝い用のケーキ食べてやがる。
「やっぱケーキっておいしいなぁ。」
「そうですね。元気出てきます。」
・・・さらに話す漢。
「端っこのほうなら食べてもバレないっていう戸田さんの考え・・・確かにそうですよね。」
確かにそうじゃねぇんだよ!!
「だろ?俺って賢いよなぁ?」
2人で楽しそうに談笑しながら食べてたからさぁ・・・僕言ってやったんだ。
「何食べてるの?」
って。
そしたら何て答えたと思う?
「ケーキだよ。見ればわかるだろ?」
ってさ。
・・・聞き方が間違ってたのかな?
「どうしてお祝い用のケーキを先に2人で食べてるの?」
って聞いてみたんだ。
そしたら。
「だからぁ・・・端っこだからバレないって。」
そういう問題じゃない・・・ですよね?
僕の気持ちを察したのかな・・・漢がしどろもどろしながらこう言ったんだ。
「いや・・・あの・・・そのぉ・・・ケーキなんか食べてない!!」
嘘をつくな!!
子どもでもそんな嘘つくか!!
「よし!!ケーキ食べたことだし、そろそろ準備しようぜ!!早くしないと間に合わないぞ。」
戸田がここにきてやる気に満ち溢れている。
・・・せっかく深呼吸して
・・・平常心を取り戻そうと
・・・した・・・のに・・・な・・・
・・・
・・・
うぉぉぉ!!
「こんな食べかけのケーキでお祝いできるかぁぁぁ!!」
食べかけのケーキを取り上げ、戸田の顔面に・・・
ベチャ。
・・・
・・・
クリームまみれの戸田。
驚いて腰を抜かす漢。
「・・・うぉい弾!!お前何してんだよ!!顔ベチャベチャだよ!!」
「・・・っさいわぁ!!お前がケーキ食うからだろうが!!」
「だからってここまでしなくてもいいだろ!?」
「当然の報いだよ!!おい!!そこで腰抜かしてないでお前も早く替えのケーキをコンビニかどっかで買ってこいやぁ!!」
「はい!!すぐ行きます!!」
慌ててケーキを買いに行く漢。
全身についたクリームを舐める戸田。
「もう・・・やってらんねぇ。」
そう言いながら、戸田はトイレに向かった。
・・・いつになったら準備できるんだよ・・・。
2人が帰ってくるまで・・・あと・・・15分くらいか。