甲斐くんと林山。その他多数 19
あなたの心が見てみたい
「ちぃーす。」
戸田が出勤。
「戸田!!これ出し物の台本な。」
甲斐くんが戸田に台本を渡す。
昨日渡せば良かったのだが・・・悟に変身したり、弾にバカ2人が取り調べされたりしていたもので・・・渡せなかったみたいだ。
こいつら・・・弾には真実言ったのかなぁ・・・出し物終わってから聞いてみよう。
「台本?」
「出し物のだよ。戸田にまだ渡してなかっただろ?」
「そういえば・・・ふむふむ。」
戸田が台本を読み始めた。
「どうだ?覚えられるか?」
「・・・ちょっと待ってね。」
数分後、一通り台本を読み終えた戸田。
「何か感想あるか?」
「テーマが・・・結婚?」
さすがの戸田でもそこは気になるか・・・。
やっぱりテーマ変えてもらったほうがよいのか・・・。
「いやぁ・・・これって・・・俺たちにピッタリのテーマだよね?」
・・・ん?
「ピッ・・・タリ?」
質問する俺。
「だってさぁ・・・よく考えてみろよ。俺たちもう30過ぎたおっさんだぜ?」
ほう。
「この年代の一般の人たちは結婚してるのだからさぁ・・・結婚したいって気持ちを持ってるほうが普通だろ?」
・・・なるほど。
「ありきたりに飲食とかのテーマよりずっといいと思うよ。」
・・・納得した。
悔しいが納得した。
戸田の言うことが正しいのは理解している。
しかし、悔しい。
・・・なんだ・・・この気持ちは・・・。
ちくしょう!!
「戸田・・・俺もそう思ってたんだよね。」
・・・
・・・えっ!?
嘘だろ?
・・・裏切者がいる!!
「だよなぁ。甲斐くんもやっぱりそう思ってた?」
裏切者が戸田と同じ意見だと言いやがった。
・・・甲斐くん。
・・・どうして俺と目を合わさない?
何か後ろめたい気持ちでもあるのではないか?
「林山はさぁ・・・飲食のテーマがいいって言ってたんだけどねぇ・・・俺はちょっと・・・ありきたりかなって。」
・・・いいから俺の目を見ろ。
戸田と談笑する前に俺と目を合わせろ。
「やっぱそうだと思った!!林山はそういう奴だからなぁ・・・発想がガチガチなんだよね。」
「そうそう・・・アハハ。」
甲斐くん・・・
甲斐くん・・・
甲斐・・・
ハゲこら・・・いいからこっち見ろ!!
仕事が始まってからも1度も目が合わないまま今日という日が終わろうとしている。
出し物の日まであと・・・2日。