甲斐くんと林山。その他多数 4
助けろよ!!
「暇ぁ・・・暇。あぁ・・・。」
呻いてらっしゃる方がいますね。
誰かって?
もう分かるでしょ?・・・そうです、戸田です。
嘘です。
甲斐くんです。
もちろん俺は弾です。
嘘です。
林山です。
お気に入りのTシャツを初日のバイトにバカにされた林山です。
・・・ちくしょう。
今日はいつも以上にお店暇だったので、仕込みも全部終わり、片付けもほぼ終わってしまったのだ。
「林山ぁ・・・林・・・。」
ん?
「・・・林・・・林・・・。」
少し様子を見てみましょう。
「林・・・林・・・森・・・林・・・株・・・さぁて問題です。」
え?
「林山と言った後、木という漢字が何回出てきたでしょう?」
「なんだそりゃ・・・6個くらい?」
「正解は・・・16個。」
「・・・意外と多いな。」
「林山ぁ・・・そう思っているのはお前だけだと思うなよ!!」
「・・・めんどくさい言い回し!!」
俺がツッコむと少しご機嫌になった甲斐くん。
「ということで林山罰ゲーム!!」
・・・なんだそりゃ。
「何だよ罰ゲームって。俺聞いてねぇし!!」
「いいリアクションだねぇ!!そんなに嬉しいかい?」
「嬉しくねぇよ!!」
「じゃあ・・・このまま盛り上がりもなく終了でいいわけ?」
「別にそれでいいよ。」
「お前は相棒が暇でしょうがないって時に何もしないわけ?」
「まぁ・・・そだね。てかいつから相棒になったんだ?」
「・・・お前は冷たい男だなぁ。」
「そう?普通じゃない?」
「じゃあさ・・・お前はもし川で溺れている少年がいたらどうする?」
「そんなの・・・気付かないふりだよ。」
「路上で老人が倒れていたら?」
「・・・うわぁって。」
「仲のいい女友達が彼氏と喧嘩して泣いていたら?」
「めっちゃ笑う。」
「・・・俺の相棒としては100点だが、人間としては0点だな。」
「・・・だからいつから相棒になったの?」
甲斐くんが俺に対して人間として疑問を持ち始めたのはこの頃からだったみたいだ。