甲斐くんと林山、たまに戸田。運命交錯編 2
いやいや・・・
「生まれ変わったら菌類になりたいと思わないか?」
どうも。
林山です。
突然甲斐くんにこんなこと言われました。
何て返したと思います?
「いいえ。」
って返しました。
一般人なら当たり前の返答です。
でもどうして菌類になりたかったのか知りたかったから聞いてみたんです。
「どうして菌類になりたいわけ?」
そしたら何て返ってきたと思います?
「・・・ノリさ。」
なるほど。
単純明快な回答だ。
・・・
・・・
あれ?
・・・
・・・
終わり?
『ノリさ。』で終わると思ってるの?
こんなんじゃ終われないよ。
「終わり?」
声に出てしまった。
「そうだけど。」
「もっといつもみたいに話広げないの?」
「いや、別に。」
「・・・いやいや・・・。」
・・・
・・・
ん?
また何も話さないの?
・・・
・・・
・・・
「いやいや・・・。」
「林山ぁ、いやいや言ってないで仕事しようぜ。」
「いやいや・・・何かあった?」
「別に。」
「本当に?」
「なんだよ・・・何もねぇよ。」
どーしたものか。
「甲斐くんよぉ・・・実は俺も菌類になりたかったんだ。」
「へぇ。」
いやいや・・・
「いやいや・・・そうじゃないだろ?」
「何?俺に何を求めてるの?」
「いつもの感じだよ。こんなんじゃ仕事も手につかないって。」
「今仕事中だろ?集中してやれよ。」
・・・
・・・
「いやいや・・・。」
「林山ぁ。いやいやうるせぇよ!!」
・・・
・・・
しゅん・・・。
俺は静かに仕事する決意をした。
その時だ。
「生まれ変わったら根菜類になりたいと思わないか?」
こいつ・・・俺が困ってるの楽しんでやがる・・・無視したろ。
・・・
・・・
・・・
「いやいや・・・」
「林山ぁ。いやいやうるせぇよ。何だよ?」
「沈黙続くから・・・根菜類の話無視したのに沈黙続くからぁ。」
「それはお前が無視するからだろ?」
「いやいや・・・」
「いやいやうるせぇなぁ。」
「お前は俺をどうしたいわけ?」
「たまにはこんなノリの悪い甲斐くんになって、俺の有難みを知ってもらおうと思ってさ。」
「いやいや・・・」
「さっきからいやいやしか言ってねぇぞ?」
「有難みは十分した。だから頼む・・・元の甲斐くんに戻ってくれ。」
「やだ。」
「いやいや・・・。」