甲斐くんと林山、たまに戸田。誕生編 14
いや、続ける。
「なぁ林山、いつか俺たちも文部科学省に認定されたいよな?」
・・・スケールでかいよ。
「あのぉ・・・おっしゃっている意味が分かりません。」
「そう固くなるなよ。もし私が認定されても、ただの甲斐くんなんだ。いつもの感じでいいんだよ。」
仕方ない・・・のってみた。
「先生。あなたはどうやって認定されるおつもりですか?」
遠くを見つめる甲斐先生。
「そうだな・・・とりあえずいつも通り生活してみるか。そしたら文部科学省から認定したいと思うだろ。そうだろ?」
「失礼ですが・・・先生は文部科学省とはどういう場所か存じてますか?」
遠くを見つめる甲斐先生。
「知らない。」
でしょうね。
「もうこの話やめませんか?すいませんが私・・・この話広げる自信ありません。」
遠くを見つめる甲斐先生。
「いや、続ける。」
・・・。
「林山くん。たまにはこんなゴールの見えない会話を続けることも大切だと思うんだ。」
さらに続ける。
「文部科学省の会話とかけまして、私たちの人生ととく。」
何だよ・・・いきなり。
「・・・その心は?」
「どちらもゴールが見えない。」
うるせぇよ。
気持ちよくなったのか?さらに話を続ける。
「会話も人生も冒険することが大事なんだよ。」
・・・ちょっと飽きてきた。
終わらせたい。
「先生のおっしゃる通りです。しかし、先生・・・もうそろそろ限界かと。人生には引き際も大事ですよ。」
遠くを見つめる甲斐先生。
「いや、続ける。」
「先生・・・。」
「いいか林山くん。途中でやめる、諦めることは簡単なんだよ。続ける勇気を君に見せたいのだよ。」
「・・・責任とってくれますか?ちゃんと落とせますか?」
「・・・任せなさい!!」
ちょっと考えたな。
「林山くん。そもそも私に責任とらせるって・・・君には養う家族だっているんだろ?」
「いません。」
「君はこの世界でまだ働きたいんだろ?私に責任とらせるつもりか?」
こいつ・・・俺に責任なすりつけようとしてやがる。
「任せなさいとおっしゃったじゃないですか?私はもう・・・このままこの話にオチがなく、先生の今の立場がなくなってしまうのが怖いのです!!・・・先生ご決断を!!今ならまだ間に合います。」
遠くを見つめる甲斐先生。
「いや、続ける。」
・・・分かっていたがな。
「林山くん。君が私のもとで働きだしたのはいつ頃からかね?」
「えっと・・・今日からです。」
「そうだったか?もう何年も下で働いていたと思っていたがなぁ・・・。」
「話すことも無くなってきたのではないですか?先生もうそろそろ・・・。」
遠くを見つめる甲斐先生。
「いや、続ける。」
「もうそろそろこの流れ・・・飽きられますよ?先生・・・。」
・・・遠く見つめてるわぁ。
「いや、続ける。」
でしょうね。
今日1日中この話が続いたことは簡単に想像できたのではないでしょうか。
本当に・・・しょうもない!!