回遊の人生楽笑ブログ

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甲斐くんと林山、たまに戸田。運命交錯編 21

痛し

 

「林山ぁ、バ田ぁ、今日も1日終わったな。お疲れ!!」

 

・・・まだ営業時間残ってますけど?

 

明日休みなのでテンションが上がってらっしゃる。

 

「・・・バ田って・・・俺のこと?」

 

甲斐くんに聞いてみるバ田。

 

「他に誰かいる?」

 

素直に答える甲斐くん。

 

「・・・あんまりだぁ!!」

 

走り去っていったバ田。

 

厨房を抜け、ホールまで向かったようだ。

 

「ふざけすぎるなよ。まだお客さん来るかもしれないから。1時間くらい営業時間残ってるし。」

 

一応お店のことを気にする俺林山。

 

「林山ぁ・・・そんなこと言うなよ。来るわけないだろ?ここがどこだか知ってる?『多良福』だぜ?」

 

心の中でそんなこと言うなよと思ったが、言わなかった。

 

だって・・・ここ『多良福』だぜ?

 

「・・・おいおいおい!!」

 

さっきの勢いでバ田が帰ってきた。

 

「お客さん来たぁぁぁ!!」

 

「えぇ!!」

 

俺と甲斐くん、2人同時に声を発した。

 

「しかもその客が・・・俺をコンビニでナンパしてきた男たちだ!!」

 

「マジで!?」

 

また2人同時に声を発したのは言うまでもない。

 

「ちょっと・・・俺興味あるから見てくる!!」

 

「林山ぁ・・・お前1人だけ興味あると思うなよ!!」

 

バ田を残し、ホールに向かう俺と甲斐くん。

 

ホールで客を確認するやいなや、急いで厨房に戻る俺と甲斐くん。

 

「バ田!!俺をナンパしてきた男たちもあいつらだ!!てか同じ人物がナンパしてきたってことすっかり忘れてた!!」

 

「バ田じゃない!!戸田だぁ!!」

 

・・・今はそこじゃねぇよ・・・バカ。

 

「驚いたことにさ・・・俺のアイムローリングサンダーTを格好いいって言ってくれたのもあいつらだ。」

 

偶然が重なりあうとこんな気持ちになるのか・・・

 

気持ちが悪い。

 

「あいつらは気付いているのか?ちょっとバ田確認してこいよ。」

 

「甲斐くんだから俺は・・・。」

 

何か言おうとした戸田の顔を俺は何も言わずにビンタしていた。

 

今はそこじゃねぇんだよ。

 

「・・・痛し。」

 

そう言うと頬に手を当て、戸田はホールに向かっていった。