甲斐くんと林山、たまに戸田。運命交錯編 １０

仲直りのお手伝い・・・させてください。

「おいおい、2人ともどうしたんだ？仲直りしろよ。」

戸田が俺たち2人の間に入る。

「うるせぇよ。お前には関係ないだろ？」

「林山ぁ・・・関係あるよ。俺はな・・・今日大事な日だったんだぞ！！」

「知らねぇよ。」

「俺がどれだけリアクション楽しみにしてたか・・・わかるか！？」

「戸田。邪魔。」

「甲斐・・・くん。邪魔ってひどくない？」

「今俺とダサ男が話してるから邪魔しないで。」

「はい・・・っておい！！俺の挨拶どうだったんだよ！！それだけ教えてくれよ！！」

「ダサ男ってなんだよ？お前が思いつかないだけだろ？つまらねぇハゲオヤジがよ。」

「わざわざ相手してやったのになんだよその言い方？最年長の老害が。」

「ちょっとちょっと・・・１回ストップ！！」

「・・・どけよバカ！！邪魔だ！！」

「バカ？それって俺のこと？違う違う！！俺はとーだだよ♪」

「うるせぇ！！センスない人間が・・・自分で面白いと思っているかもしれないが・・・お前つまんねぇからな。」

「林山ぁ・・・俺つまんねぇか？とーだだよ・・・そこまでお気に召さない？」

「いちいち入ってくるな！！俺は今こいつと話してんだよ！！」

「甲斐くんまで・・・なぁ・・・仲直りしようぜ。そしてもう１度考え直してくれ・・・とーだだよ・・・どう？どう？」

・・・邪魔だわぁ・・・戸田。

「なぁ、お２人さん・・・何があったか知らないけど・・・俺嫌だよ。」

続ける戸田。

「２人とも冷静になれって。なっ！？」

「・・・」

「・・・」

黙り込む俺と甲斐くん。

「・・・確かに・・・思いつかなかったから・・・つい・・・。」

「うんうん。いいぞ甲斐くん。林山は？」

「俺は・・・。」

「俺は？言い過ぎた？ん？どうなんだ？」

「俺は・・・ただ・・・いいキャッチコピーできると思って・・・。」

「うんうん。」

「それで話を持ち掛けたんだ。」

「なるほどね。まぁ・・・できないこともあるよ。人間だもの。」

「林山ぁ・・・すまんかった。」

「・・・おぉ！！いいぞ！！さぁ林山は？ん？ん？」

「俺も・・・途中から・・・言い過ぎた。」

「オッケー！！仲直りだ！！」

戸田が俺と甲斐くんの手をとり、握手させた。

「いやぁ・・・長かった。これでやっと俺の話だな？」

「戸田の話？」

「とーだだよ♪の感想だよ。」

あぁ・・・ね。

「別に・・・」

「普通・・・」

「・・・マジで！？あれだけ考えたのに？そしてこれだけ感想聞くのに時間かかったのに？結局感想が普通？」

必死になってる戸田を見て俺たち２人は笑っていた。

「ねぇ・・・もうちょっとあるでしょ？感想？」

「ないよ。なぁ甲斐くん。」

「そうだなぁ・・・ないなぁ。」

「・・・ちくしょう！！また考え直しだ。」

そう言って戸田はお店を出て行った。

後日談だが多良福のキャッチコピーが決まったみたいだ。

『仲直りのお手伝い・・・させてください。』

変な空気になった時、美味しいものを食べ、元気になってほしいという気持ちを込めたみたいだ。

ビミョーだが、これに決まったみたいだ。