甲斐くんと林山、たまに戸田。運命交錯編 17
こんな日もあるさ
いつも通り俺が仕事していると
「呼ばれてないのにじゃじゃじゃじゃ~ん。」
・・・
・・・うわっ。
面倒くさいやつが出てきた。
「待ってたでしょ?」
「いや・・・。」
「か~まだよ♪」
戸田のやつパクりやがった。
「甲斐くん。今日は何でオカマなの?」
冷静に聞いてみた。
「ノリよ!!それと・・・私の名前甲斐じゃないから!!」
へぇ・・・。
「私の名前は・・・悟よ。」
・・・へぇ。
なんかそういえばちょっと前に出てきたような名前・・・まぁどうでもいいけど。
「そうなんだ。」
冷静に対応した。
「寒っ!!ちょっと対応が真冬なんですけど!!もうちょっと元気よく!!」
「・・・はぁ。」
「はぁじゃないでしょ!?何?元気も出せないわけ?本当に・・・クズなんだから。」
クズって・・・久々に聞いたわ。
「クズって・・・久々に聞いたわ。そんな言葉使ったらだめでしょ?」
「うるさいわよ!!全然あなたよりバ田のほうが元気があっていいわ!!」
・・・
・・・バ田か。
いい響きじゃねぇか。
「クズとかバ田とか・・・今日の悟は口悪いね。そんな悟嫌いだな。」
「・・・なによ。別にいいじゃない!!」
さらに続ける。
「それとねぇ・・・簡単に悟を受け入れるんじゃないわよ!!もうちょっと驚きなさい!!」
「・・・驚いてほしかったの?」
「驚いてほしかった!!『えぇ!!』とか『うそぉ!!』とか・・・あるでしょ?」
「まぁ・・・オカマなのに男の名前ってのはツメが甘かったよね。」
「・・・オカマにだってミスはあるのよ。」
・・・
・・・今日のオカマ・・・キレ悪いなぁ・・・。
大丈夫か?
「林山!!とりあえず・・・これだけは言っておきたいの!!」
「なに?」
「今日私が来た理由・・・その1、悟という名前を発表したかった。」
「はぁ・・・。」
「その2,『か~まだよ♪』が言いたかった。」
「なるほど・・・それでどうなの?出てきて正解だった?」
「・・・失敗よ。まさかこんなに煮え切らない感じになるとは・・・もっと感情豊かにツッこんでくれると思っていたわ。」
続ける。
「あのぉ・・・今日私は来なかったことにしてくれない?」
「いやだ。」
「そこをなんとか・・・。」
「オカマになって、スベッて・・・今日は忘れられない日になるんじゃない?」
「・・・いやぁぁぁぁ!!」
顔を隠して急いでどこかへ逃げる甲斐くん。
オカマに勝った・・・なぜかすごい達成感を感じる俺林山35歳だった。