甲斐くんと林山、たまに戸田。激闘編 7
KAMA
来たくなかった。
今日だってあれだもん・・・
面倒くさいやつがいるもん。
恐る恐る調理場を見てみる。
・・・
・・・いた。
普通のテンションであってくれ・・・お願い神様!!
「あら、おはよう。」
・・・どっちだ?
「遅いじゃないのよぉ!!化粧に時間かけすぎじゃないの!?」
・・・神様は存在しなかった。
「おはよう。甲斐くん。」
「あなたオカマになる気一切無しね!!この裏切りものっ!!」
「あの時はノリでもう1度するって言ったんだ。まさか本当にもう1度オカマが出てくると思わなくて・・・。」
「う~る~さ~い~!!いいわよ!!私1人でも平気よ!!オカマは強いのよ!!」
続けて話すオカマ。
「あなた昨日のこと覚えてる?」
「重大発表のことだろ?」
「そうよ!!1日寝かせたんだから・・・言いたくて仕方なかったんだからね!!」
「はいはい。ではどうぞ~。」
「ちょっと!!もう少しやる気出しなさいよ!!重大発表よ!!」
「そんな大したことじゃないんだろ?どうせ・・・。」
「1日寝かせたの!!それくらいしなさい!!誰のせいで朝からこんなテンションでいないといけなくなったか分かってるの?」
・・・面倒くさいなぁ・・・。
・・・ったく。
「重大発表って何!?すっげっぇ俺気になってたんだよ!!」
「うふふ・・・そんなに知りたい?」
・・・くそったれ。
「知りてぇよ!!早く教えてくれよ!!」
「もう・・・しょうがないわねぇ・・・実は・・・私・・・。」
・・・
・・・
・・・ぁぁああっっ!!
「ためずに早く言ってくれよ!!気になって仕方ないよ!!」
「うふふ・・・やればできるじゃない。」
うるせぇよ!!
「実は・・・私・・・仲間増えたの。」
・・・
・・・ん?
「オカマの仲間が増えたの!!何回も言わせないでよっ!!」
「はぁ?」
「だから何人かオカマの仲間増えたの!!」
「えっと・・・。」
「・・・1回で飲み込めよ!!何回も言わすな!!」
男に戻った。
「あ・・・あぁ・・・仲間増えたのね。よかったな。」
「仲間のオカマと意気投合しちゃって・・・一緒に今ダンス教室通ってるの!!」
「・・・へぇ。」
全く興味がわかない。
「ユニット名は・・・KAMA。」
「・・・へぇ。」
全く興味がわかない。
「私たちの激しいダンスで男を悩殺するの・・・いやぁ!!言っちゃった!!」
「・・・へぇ。」
全く興味がわかない。
「特別に見る?私のダンス?」
「・・・うん。大丈夫。」
「か~わ~い~い~!!照れてる~。」
何がどうなって仲間が増えたのか、どこで知り合ったのか、疑問はたくさんある。
しかし、それでいいじゃないか。
甲斐くんに新しい友達ができ、友達と楽しい時間を過ごしている・・・それだけの話。
「ちょっと林山!!あなた寂しいでしょ!?紹介してあげてもいいわよ?」
「・・・勘弁してください。」
気が付くと俺は土下座をしていた。
「照~れ~す~ぎ~!!」