甲斐くんと林山、たまに戸田。激闘編 17
戸田ex
「甲斐くん。ちーっす!!」
戸田登場。
「戸田おはよう!!今日も朝働いてきたのか?」
・・・。
「あぁ・・・エディの音色に酔いしれてきたぜ。」
・・・!?
驚いた。
「お前バーコードは?」
「林山さんよぉ・・・バーコードはもう古いぜ?」
カチンときた。
「卒業だよ。今はピッピよりシャリーンだろ?」
何か・・・腹立つ。
けど気持ちを抑えた。
「・・・戸田も戸田なりに色々と考えているんだな。」
「あぁ・・・今日から俺は『戸田ex』だ。」
戸田ex・・・妙に語呂がいい。
「やっと戸田もバーコード卒業かぁ・・・よかったなぁ。甲斐くんもそう思うだろ?」
「うーん・・・変化しようとした戸田の気持ちは伝わった。ただちょっと弱いかな。」
・・・若干真剣な顔つきで話す甲斐くん。
「はぁ?弱いって何だよ?俺・・・必死になって考えたんだぜ?」
「うーん・・・バーコードが強すぎたのかなぁ・・・印象がね。エディだっけ?しっくりこないんだよ。他の案ってなかったの?」
「フライドフーズのお世話してた。」
「他は?」
「拘束された週刊誌たちを救ってきた。」
「・・・他は?」
「他は・・・ない。」
個人的には週刊誌が好きだな・・・まぁどうでもいいが。
「なるほどね。そのアイデアの中から探すとなるとエディで間違いないよ。」
・・・週刊誌は?
「エディ・・・悪くないけど正直3回持たないね。3回目くらいからなんか・・・飽きてきそう。」
・・・一体何を真剣に話しているのだろうか?
別にどうでもよくないか?
「ただ・・・『戸田ex』はよかったよ。響きがいい。」
「ありがとうございます。」
戸田が甲斐くんに対して敬語を使った。
「バーコードと会話の時は何も考えずに想像しやすかったんだ。」
「・・・はい。」
「エディの音色?知ってる人にはいいけど、まずエディって何?って考える人が出てくる。」
「・・・なるほど。」
「そこで笑いが小さくなると思うんだよねぇ。」
「・・・勉強になります。」
「どうする?このままエディでいく?それとも考えなおす?どうする?」
「・・・もう1度チャンスをもらえないでしょうか?」
「・・・よく言った!!それでこそ『戸田ex』だ!!」
「ありがとうございます。では失礼します。」
甲斐くんに一礼し、戸田は帰っていった。
「・・・なぁ・・・あいつ何しに来たの?」
率直な疑問を甲斐くんに聞いてみた。
「さぁ・・・わからねぇ。ただ1つだけ確かなことがある。」
「・・・なに?」
「あいつさぁ・・・暇人だよ。」
こうして何でもない俺たちの1日が幕を開けたのだった。