甲斐くんと林山、たまに戸田。激闘編 2
女の子になってみた。
「甲斐くん。俺たちに足りないものわかるか?」
「ん?どした林山?急にそんな足りないものって・・・ありすぎてわかんねぇよ。」
正論。
「1番足りないものだよ。」
「何だよ?」
「愛だよ。」
「愛かぁ・・・。」
「甲斐くん。最近女の子と楽しい会話したか?」
「・・・した。」
「えっ!!マジでっ!?」
「うそ。」
「・・・お死になさい。」
「だって悔しかったんだもん。話の流れに逆らいたかったんだもん。」
「甲斐くん。逃げたらダメです。現実を受け止めなさい。」
「・・・じゃあこうする?」
「何だ?」
「いっそ女の子になってみる?」
「・・・嫌です。」
「林山。逃げたらダメです。」
「逃げてません。」
「現実を受け止めなさい。」
「俺は男です。」
「林山・・・あなたは女よ。むしろオカマよ。」
本当に女口調になってきた。
「違う・・・。」
「何照れてんのよぉ!!ほらテンション上げていくわよ!!どんだけぇ~。」
「古いです。」
「ちょっとちょっと!!あなた古いって何よぉ!!許さないんだからぁ!!」
・・・自分から話し始めたのだが・・・こんな流れになるとは思っていなかった。
正直・・・面倒くさい。
「・・・やめてください。」
「わかってるの?あなたが愛がほしいって言ったからこっちだって女になってんのよ?」
・・・早く終わらないかなぁ・・・。
「何?あなた・・・女に恥かかせる気?」
ノリノリじゃねぇかよ・・・まだ続きそうだ。
「ほらぁ・・・ぐずぐずしないの!!ほら・・・へんし~ん!!」
・・・ちくしょう。
「ちょっと!!あなた何変身させてんの?責任取ってちょうだい!!」
俺林山35歳、人生初女性になる。
「うるさいわねぇ・・・オカマのくせに!!」
「あなたに言われたくないわ・・・オカマのくせに!!」
「ちょっと林山!!あんまり大きな声出させるから汗かいたじゃない!!化粧が落ちるでしょ!!」
「化粧なんてしてなかったじゃないのよぉ!!」
「何それ?化粧なしでも私はキレイってこと?」
「お~死~に~!!どうやら頭と耳も腐ったみたいねぇ!!」
「ちょっとあなた言いすぎじゃないの!?死んじゃったらどうするのよ!?」
「何やっても死なないわよ。オカマモンスター甲斐。」
「しょ~げき~!!あなたインパクトよ!!何インパクト発言かましてるわけ?」
「ちょっと私のインパクト使わないでくれる?」
「いいじゃないの!!オカマのものは私のものよ。」
「ちょっと・・・しょ~げき~!!ガキ大将発言じゃない!!本当にあなたガキ大将みたいな体格してるわ。」
「し~ず~か~に~!!あなたこそ子分体型じゃないの!!」
「し~ず~か~に~!!・・・もう満足したんじゃないか?甲斐くん。」
「・・・そうだね。オカマになってわかったことがある。」
「何だい?」
「楽しい。」
「そうだね。俺もこんなに楽しくなるとは思わなかったよ。」
「林山が良ければでいいんだが・・・またいつか一緒にオカマになってくれるか?」
「・・・もちろんだ。」
結局足りない愛が満たされることなく、今日も1日終わった。