甲斐くんと林山、たまに戸田。誕生編 ２３

あの素晴らしい言葉をもう１度・・・

「何やってんだ？」

甲斐くんに話しかけた俺林山３５歳。

「・・・ん？今集中してるから黙ってて。」

冷たい。

「あのぉ・・・そろそろお仕事しないと・・・。」

「・・・気が散るから。」

想像してたより冷たい。

「仕事・・・しようよ。」

「・・・うるさいなぁ！！そんなに仕事したいなら１人ですれば？」

・・・はい。

甲斐くん全く動く気なし。

次は・・・体育座りしてるやつかぁ・・・。

戸田に近寄る俺林山３５歳。

「なぁ・・・戸田。もうそろそろ仕事しよう。」

「・・・。」

膝の間に顔を挟み込んでいる。

「・・・バーコード・・・禁止。・・・映画・・・出れない。・・・バーコード・・・禁止。・・・。」

気持ち悪ぃよ。

小さい声でずっとブツブツ言ってるよ。

「ちょっと・・・戸田？大丈夫か？」

「・・・バーコード・・・禁止。・・・映画・・・出れない。・・・。」

・・・。

もういいです。

俺１人でとりあえず仕事する。

そう思った矢先だった。

「こんな感じでどうだ？」

甲斐くんが休憩室にやってきた。

「やっとできたぜ。これな。」

体育座りしているおじさんを見る甲斐くん。

「戸田も・・・ほら。」

・・・！？

戸田も出れるのか！？

ちょっと涙出そう。

「・・・俺の？」

「そうだ。１つだけ言葉を言ってほしいんだ。」

・・・！？

ま・・・さか・・・。

もしかしてあの言葉ですか？

期待していいんですか？

「俺の・・・言葉・・・。」

ほら・・・言え！！

大きな声で・・・心おきなく言ってやれ！！

「・・・夏・・・最高・・・。」

ノー！！！！！！！

違うでしょ！！

ここはあの言葉じゃないの？

「バーコードだと思っただろ？あれは本当に飽きたから言わせないよ。」

「・・・バーコード・・・じゃない。」

・・・やっぱ言いたかったんだな。

切ない。

その後、戸田は体調不良を理由に帰宅。

甲斐くんは気分がのらないって理由で帰宅。

皆さん・・・明日の準備終わってないですけど？

・・・もう・・・どうにでもなれ！！

長かった１日がようやく終わった。

さぁ・・・頑張って仕事しよ。