回遊の人生楽笑ブログ

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甲斐くんと林山。その他多数 39

深夜1時 その2

 

「おい!!俺だ。甲斐だよ。ちょっと電気つけろ!!」

 

店に入り、廊下を小走りしてきた甲斐くんが小声で話しかけてきた。

 

深呼吸をし、少しでも落ち着きを取り戻そうとする僕。

 

そして僕は言われた通り電気をつける。

 

「おい!!準備できたか・・・って・・・何これ?」

 

辺り一面口紅で塗りまくられた壁、地面、そして・・・壁。

 

お店でこんなことしていいのか?

 

絶対にダメだ。

 

今更後悔している僕。

 

でも少し前はそんなことも考えられないくらい心に余裕がなかったんだ。

 

それだけはわかってくれ・・・。

 

「これどうするんだよ・・・後片付け大変だぞ・・・って戸田!!」

 

後ろを振り向く。

 

漢の買ってきたケーキの端を食べている戸田。

 

・・・

 

・・・

 

キャァァァァ!!・・・ヒャァァァ!!

 

何故かわからないが、甲高い声で叫んでいた。

 

戸田・・・

 

戸田・・・お前は・・・

 

何やってんだよ・・・。

 

僕は一通り叫び終わるとケーキを持ち、戸田にめがけて投げつけた。

 

・・・

 

・・・

 

ベチャ。

 

顔面にヒット。

 

テレビでよく見るような光景に出くわした。

 

クリームまみれの戸田・・・出来上がり。

 

「ちょ・・・」

 

何か言おうとした戸田の口をふさぐ甲斐くん。

 

「デカい声出すな!!ばれるだろ?」

 

・・・さっき悲鳴あげましたが・・・?

 

そんなこと気にせず話を続ける甲斐くん。

 

「とりあえず電気を消せ!!」

 

言われた通りに電気を消す僕。

 

辺りがまた真っ暗になる。

 

暗闇の中、僕は気配を感じた。

 

その方向に振り向くと甲斐くんがいる。

 

「とりあえず・・・林山連れてくるから。それと・・・弾・・・わかってると思うが・・・。」

 

・・・何となく察しはつきます。

 

「・・・俺の口紅・・・ねぇ?・・・あとでフルコースな。」

 

です・・・よ・・・ね・・・

 

・・・

 

・・・

 

この時に僕は気絶したみたいだ。

 

記憶が少しの間なくなっている。

 

気が付くと部屋に電気がつけられ、林山が何とも言えない表情で立っていた。