回遊の人生楽笑ブログ

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甲斐くんと林山。その他多数 33

深夜1時過ぎ

 

特に変わったものは見当たらない。

 

携帯の明かりだけで前に進んでいく。

 

俺は・・・恐る恐る歩いていく。

 

「林山・・・下・・・見てみろよ。」

 

甲斐くんが後ろから話しかけてきた。

 

俺はそっと下を見る・・・。

 

・・・

 

・・・まさかな。

 

嘘だろ?

 

これって・・・血・・・?

 

「これって・・・血・・・なのか?」

 

「林山・・・どうする?まだ進むか?」

 

「・・・もうちょっとだけ進んでみよう。」

 

怖かったけど先に進んでみた。

 

何があるのか見てみたい。

 

 

『・・・おとうさん・・・。』

 

・・・はっ!!

 

まじか!?

 

これって・・・子どもの声?

 

もしくは・・・機械音のようなちょっと高い声?

 

『・・・おとうさん・・・これで・・・許して・・・くれますか・・・おとうさん・・・。』

 

・・・お父さん?

 

俺は慌てて携帯を振り回す。

 

どこだ?

 

どこから声が聞こえる?

 

『・・・おとうさん・・・おとうさん・・・。』

 

だんだん近づいてきている・・・気がする。

 

声がはっきり聞こえてきた・・・ような。

 

・・・どこだよ!?

 

くそっ・・・どこだ!!

 

・・・

 

・・・!?

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

俺の肩に感触が・・・。

 

後ろから俺の肩に何かが・・・。

 

覚悟を決め、俺はその何かを手で掴む。

 

・・・掴めた。

 

あとは振り向くだけ・・・

 

「・・・誰だっ!!」

 

何かを掴んだまま振り向く。

 

そこには・・・

 

・・・

 

・・・

 

そこには・・・ヒゲ眼鏡をつけた漢がいた。

 

「・・・うおぉぉぉぉ!!」

 

久しぶりに大きな声をあげた。

 

深夜の『多良福』に俺の声が響きわたる。

 

「うおぉぉぉぉ!!」

 

2回目の大声をあげる。

 

「・・・うお・・・」

 

3回目の大声を出そうとすると

 

「林山落ち着けって!!」

 

甲斐くんが俺の口に手をあて、止める。

 

「林山・・・一旦落ち着こう・・・な?」

 

甲斐くんが手をあて、止めようとしてくれている。

 

ちょっとずつ落ち着いていく俺。

 

落ち着いてくると・・・目の前にいるヒゲ眼鏡の漢に腹が立ってきた。

 

そして落ち着いて聞いてみると、漢はヘリウムガスを吸っていることがわかった。

 

そして、『おとうさん』ではなく、『後藤さん』と言ってたようだ。

 

結局のところ・・・どういうこと?

 

誰か説明してくれ!!

 

この・・・腹立つヒゲ眼鏡は何なのだ!?

 

「・・・なんだかんだで大成功だな。もういいぞー。」

 

そう言うと甲斐くんは俺の口から手を離す。

 

明かりがついた。

 

そこには・・・

 

気絶した弾、白いクリーム的なものまみれの戸田、そしてヒゲ眼鏡。

 

それと・・・

 

『おめでとう』っていう色紙に書かれた文字。

 

・・・何がどうなってるの?