回遊の人生楽笑ブログ

クスクス笑って頂ければ幸いです。

甲斐くんと林山。その他多数 28

俺が今欲しいのはそっちじゃねー!!

 

弾に悟フルコースをしたかったな・・・。

 

1週間経った今でも後悔している俺林山。

 

仕事終わって考え事しようと思い、近くのBARに寄った。

 

そう・・・弾と漢の経営するお店『ゲイ人』に俺は寄った。

 

「いらっしゃいませ・・・あら?」

 

漢が出迎えてくれた。

 

「よう。ここで会うのは久しぶりだな?」

 

「・・・。」

 

「何だよ?」

 

「いや・・・いい苗字が浮かばなかったもので・・・。」

 

「無理しないでいいからね。」

 

「・・・僕の数少ないボケるシーンなんですけど・・・。」

 

「・・・何言ってるの?」

 

「これがなくなったら・・・僕にはあと豚しかない!!」

 

「だから何言ってるの?」

 

意味はわからないが、相当悔しそうな漢。

 

「僕は苗字間違いと・・・豚でしか笑いが取れないのだ!!」

 

なんか・・・様子が変だぞ?

 

「おいおい・・・漢大丈夫?言ってる意味はわからないが、ちょっと様子変だぞ?」

 

俺が話しかけると

 

「・・・すいません・・・取り乱してしまいました・・・ところで今日はどうなさいました?」

 

いつもの冷静な漢に戻った。

 

「ちょっとな・・・考え事したくなって。」

 

「・・・よければ話してくれませんか?」

 

「あぁ・・・。」

 

漢に考え事を話す。

 

気付くと1時間くらい話していた。

 

「あれ?林山さん来てたのですか?」

 

弾が外から帰ってきた。

 

「おぉ・・・弾か。」

 

「林山さん。豚から聞きましたよ。」

 

「・・・何?」

 

「あなたが来月から正社員になるって話・・・もちろんなるんですよね?」

 

「あぁ・・・ちょうどその話を漢にしてたんだ。何か・・・実感ないんだよなぁ。」

 

「長いことフリーターでしたもんね。でもいい話じゃないですか?漢もそう思うだろ?」

 

「いい話です。林山さん・・・。」

 

漢が普通に俺の名前呼んだよ。

 

そしていつものように

 

「こんな言葉・・・知ってますか?」

 

って。

 

だから俺は

 

「どうせ豚だろ?」

 

って。

 

そしたら漢・・・黙って下向いてしまったよ。

 

相方の弾・・・そんな漢を無視し、俺に話しかけてきた。

 

「そういえば・・・あの2人はこのこと知ってるのですか?」

 

「いや・・・まだ言ってない。」

 

「言わないのですか?」

 

「戸田はともかく・・・甲斐くんにはちょっと言いづらいかな・・・。」

 

「・・・ずっと一緒に働いてますからねぇ・・・フリーターとして。」

 

「そうだな。あいつも俺と同じくらい長いこと働いてるから・・・俺だけなるって甲斐くんに言うのは気が引けるというか・・・。」

 

「それはおかしいですよ林山さん。」

 

・・・

 

・・・

 

おいおい・・・漢。

 

話入ってくるのはいいけど・・・俺の名前間違えないの?

 

待ってる俺も俺だけどさ・・・

 

もうそろそろ出てもいいのでは?

 

「有名な方の言葉にこんな言葉があります。」

 

「・・・だから豚だろ?」

 

・・・そっちじゃねぇんだよ!!

 

俺が求めてるのはそっちじゃねぇ!!

 

「・・・。」

 

また下を向いて黙った漢。

 

「気が引ける気持ちは分からなくもないですが・・・やっぱり言ったほうがいいと思いますよ。」

 

さっきもそうだったが、弾も何もなかったように話進めるんだよな。

 

お前のパートナー・・・下向いて落ち込んでるぞ。

 

「そうだな・・・言おうかな。」

 

「・・・ちょっといいですか?」

 

下向いていた漢が話しかけてきた。

 

「・・・どうした?」

 

「そのぉ・・・林山さん・・・。」

 

・・・

 

・・・もう言っちゃおう。

 

「漢さぁ・・・何でもいいからさぁ・・・そろそろ俺の名前間違えろっつーの。」

 

「・・・。」

 

落ち込む漢を見ながら俺は席を立つ。

 

「そろそろ帰るわ。ありがとな。」

 

「・・・森林・・・さん。」

 

「漢・・・この前と同じじゃねーか。何でもいいと言ったけどさぁ・・・昔使ったやつはずるくないか?しかも俺に言われてから苗字間違えても遅いよ。タイミング・・・考えような。」

 

「・・・。」

 

「あのぉ・・・林山さん。」

 

いつも通り漢を無視し、弾が話しかけてくる。

 

「どうした?」

 

「実は・・・。」

 

俺は耳を疑った。

 

そしてもう1回聞き直した。

 

「弾・・・もう1回言ってくれないか?」

 

「えぇ・・・今月でBAR『ゲイ人』・・・閉店します。」

 

あらら・・・。

 

俺は弾に理由を聞いた。

 

それを聞いて俺は納得した。

 

その理由ってのは・・・今は言えない。

 

・・・でもさぁ・・・漢はそれで納得するのか?

 

振り返って漢を見る。

 

「・・・。」

 

1人でぶつぶつ唱えながら反省会してる。

 

まぁ・・・色々あるんだな。