回遊の人生楽笑ブログ

クスクス笑って頂ければ幸いです。

多良福シリーズ番外編 bar『ゲイ人』 6

ハマりすぎ注意

 

どうもこんばんは。

 

弾です。

 

本名は後藤茂(ごとうしげる)です。

 

ちなみに僕の相方、漢の本名は田中郷道(たなかさとみち)です。

 

何で本名発表したのかって?

 

ノリです。

 

何で本名発表したのかって?

 

ノリです。

 

大事なことなので2回言いました。

 

何でこんなノリになったのだろう・・・僕は考えた。

 

そして1つの答えを導き出した。

 

暇。

 

今日は誰1人お客さんが来ない。

 

まぁ来ても1日で2,3人なんだけど。

 

今日は誰も来ないんだ。

 

ん?

 

漢は何してるかって?

 

もう・・・みんな漢のこと好きだなぁ・・・。

 

そんなに気になる?

 

漢はねぇ・・・爪いじってる。

 

子どもみたいな行動取るところがあるんだよねぇ。

 

あんなダンディーなのに。

 

「弾、ちょっといいか?」

 

爪をいじり終え、ひと段落した漢が僕に話しかけてきた。

 

「どうした?」

 

「今日はこのままお客さん来ないのかな?」

 

「どうだろうねぇ・・・1人くらい来るかもしれないよ。」

 

「そうか・・・。」

 

会話を終わらせると漢はまた爪をいじりだした。

 

お互いに空気のような存在になっている僕たち。

 

無言のまま時間だけが過ぎていく。

 

僕はたまに漢の行動を観察した。

 

爪をいじるか、手の甲にある産毛を抜いているか、どちらかをずっとしている。

 

そんな時に僕は決心したんだ。

 

今度生まれ変わるなら漢の手になるんだって。

 

そして暇な時にずっといじってもらえるようにしようって。

 

そんなことを考えているといつの間にか閉店時間になっていた。

 

結局今日はお客さん来なかったなぁ・・・。

 

「弾、今日はお客さん来なかったな。」

 

「そうだね。まぁこういう日もあるよ。いっそのこと早めに閉店してしまえばよかったね。」

 

「・・・弾、お前はこういう言葉を知ってるか?」

 

この言い方は・・・まさか僕に名言?

 

何だろう・・・。

 

「営業しない豚は、ただの豚だ。」

 

・・・

 

・・・

 

この前の映画が大層気に入ったんだね。

 

素敵・・・素敵・・・素敵・・・かな?

 

いや・・・素敵だ。

 

ただこれだけは言わせてほしい。

 

「僕たちは豚じゃない。ただのゲイだよ。」

 

「そうだったな。」

 

そう言うと漢は僕に微笑みをくれた。

 

何でだろう・・・僕は心が満たされた。

 

今日1日生きててよかった。

 

そんなことを考えながら1日が終わる。

 

なんだかんだで幸せな1日だった。