甲斐くんと林山、たまに戸田。誕生編 6
奇跡!!
「林山ぁ、ちょっと聞いてくれるか?」
お通しを盛り付けながら話しかける男、甲斐くん。
ちなみに今日盛り付けるお通しの数・・・20個。
少なっ!!
「どうした?何かあったのか?」
「今日さぁ、自転車で店に来る途中でさぁ、俺と同じTシャツ着てるやつ・・・3人見かけたんだ。」
「奇跡!!」
思わず言ってしまった。
「だろだろ?あとなぁ・・・これ見てみろよ。」
ポケットからレシートを取り出し、俺に見せつける甲斐くん。
「コンビニで何も考えないで買ったんだけど・・・金額が1234円。」
「奇跡!!」
またまた言ってしまった。
「それとなぁ・・・今日のお通し・・・俺が味付けしたんだぜ。」
どれどれ・・・。
「奇跡!!」
美味しい。
てかバイトにお通しの味付けさせるなよ。
味付けさせたことが奇跡!!
「最後はなぁ・・・今日洗濯してきたんだけど、ジーパンの中にたばこ入れたままでさぁ・・・。」
「・・・この流れからすると・・・葉っぱまみれにならなかった・・・とか?」
「そんなことあるかっ!!まぁ・・・葉っぱまみれ・・・。」
「・・・ドンマイ。」
お通しの盛り付けが終わり、今日も営業が始まるのであった。